落語,お能カテゴリ 2ページ目


掛取万歳!

雲助師匠の掛取万歳が聞きたくて鈴本演芸場へ行くことにした。鈴本は飲食自由だからと松坂屋の地下でいなり寿司と海苔巻きを買った。この時点でもうだいぶ楽しい気分♪

ちょうど扇辰師匠が高座に上がったところだった。かっこいいなあ、扇辰師匠!高座姿も声もかっこいい!ネタは紋三郎稲荷。初めて聞きました。なりゆきで笠間のお狐様として松戸宿に入った平馬が、「おこわや油揚げは狐の初心者が食べるもので、わしぐらいになると…」とぜいたくな料理ばかり注文するくだりがおかしかったー。

はん治さんも初めて高座を拝見させていただいた。一目見て和んでしまった…!思わずニコニコしてしまう。ネタは「ぼやき酒屋」で元は三枝さんの新作なんだそう(いま調べてみた)。ほろ酔いでなんだかんだと冗談混じりでぼやく様子がおもしろくて、2時間くらいグダグダ続いても聞いていられそうだった。

そして、楽しみにしていた雲助師匠の掛取万歳。最高でした!!!狂歌、喧嘩、芝居、三河万歳、どれも思わず拍手してしまう素晴らしさ!感嘆!爆笑!感嘆!爆笑!もう大忙しでした。落語で笑いすぎて出た涙量ベスト3に入るんじゃないかと思う。芝居好きの番頭さんが上使になりきって入っていくところが特に好き。あのノリの良さ見習いたい。この噺みたいに「乗っかったもんはしょうがねぇ。まるめこまれてやるか」ってのが罷り通ったりもする世の中、いいなあ。緞帳が降り切るまで、「ありがとうございました」と何回も頭を下げる雲助師匠に、「こちらこそ、こんな楽しい時間をありがとうございました!」とめいっぱい拍手した。あー、満ち足りた!

次、鈴本に行くときには、紙切りのお題をいくつか考えて行こう。

『鈴本演芸場 12月上夜席』
入船亭扇辰 「紋三郎稲荷」
柳家紫文 三味線漫談
柳家はん治 「ぼやき酒屋」
林家二楽 紙切り
五街道雲助 「掛取万歳」

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熊公八公

仕事帰りに国立演芸場にて「第44回 東西三人会」。大好き国立演芸場。

松喬師匠のふぐ鍋、おもしろかった!ふぐをもらったので鍋にした旦さんと、毒味に呼ばれた大橋さんによる、どっちが先にふぐ食べるかの大攻防戦。「あんさん、鍋はお好きか?」「鍋?あの鍋でっか?鍋は…かじったことおまへん」こういった系のくすぐりにすごくハマってしまうことがあるのだけど、松喬師匠がそうでした。はじめからの流れで面白可笑しい雰囲気になってるからもう自然と笑えてくる。こうなると後はもう笑いっぱなし!

物乞いがやってきたのでこれ好都合とふぐ鍋をあげた。後をつけて確かめたところ大丈夫そうだというんで、せーので食べまひょと鍋から具をよそう。「あんた、白菜ばっかり入れて、ふぐの身入れんと」往生際の悪い二人のやり取りも大笑い!さげは物乞いは実はふぐを食べてなかったという…。ストン!

志ん橋師匠は圓朝まつりでお見かけしたときから、そのお姿を高座で拝見したいとずっと焦がれておりました。佇まいが素敵すぎます!もう写欲が湧いて湧いてしようがなかった。ネタがまた粗忽長屋で、これまで生で聞いたことがなかったので嬉しかった〜。この噺は一言「粗忽」というんでは到底片付けられないような。引き込まれてしまう。なんかちょっと切ない、怖い感じもするし。サゲの台詞がすごい好きだなあ。粗忽長屋をたくさん聞き比べしたい。

小里ん師匠は茶の湯。なんで気付けへんの?なんで途中でやめへんの?なんでそんなことで引っ越すの?なんでそれ程のことでそんな大事に?可笑しすぎる!とんだ風流の味わい方に大笑いしました。ご隠居さんのいれたお茶飲んでお腹下してみたい。1回でいいけれど(笑)。

一番前の席でゆっくりたっぷり楽しませていただきました。

「第44回 東西三人会」 国立演芸場
古今亭きょう介 「たらちね」
古今亭志ん公 「時そば」
笑福亭松喬 「ふぐ鍋」
ロケット団 漫才
古今亭志ん橋 「粗忽長屋」
柳家小里ん 「茶の湯」

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Japanese sit-down comedy

以前行ってとても楽しかったダイアン吉日さんの落語会。また浅草で開催されるとのことで行ってきました。

会場に入ったら、6,7割埋まっている席は外人さんだらけ!前回はそんなことなかったのに?日本の方もいらっしゃるけど、皆さん外人さんと一緒に来ているみたい。だんなさんと「なんだろうこれは?皆さんどういう経緯でここへ?」とオドオドしながら空いてる席に座った。ちょっと落ち着いてもう一度周囲を見回してみた。やっぱりほとんどが外人さん。真っ白なヒゲをたっぷり蓄えたアル厶のおんじみたいな方もいる。わずかにいる日本人も英語でペラペラしゃべっている。あきらめかけたそのとき、前のテーブルにただ一人、外人さんとご一緒でない日本人のおじいさんを発見!おじいさん、俯き加減でこの雰囲気にすっかり呑まれていらっしゃるよう。お気持ち分かります…!

そんな中はじまったダイアンさんの落語会は楽しかった!みなさんノリがよい!あちこちからWAO,WAO聞こえる!落語の途中でピューピュー指笛聞こえたの初めて!ダイアンさんの明るさにお客さんのノリが加わって、大盛り上がりの落語会でした。

あー、英語勉強しなくては!ほんまにせんと!

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どっちつかずの毎日です

「立川談志 71歳の反逆児」をまた見てしまった。襲い来る老いに「業の肯定と言いながらテメエがこんな苦しがってると、お前は何をやってやがんだと、何が業の肯定かと、老いも肯定の中に入れればいいじゃねえか。自分が弱いのかなあ、自分が弱いなんて言ってる言葉自体もキザで、それらを含めて何を言ってやがんだということにも気づく」といったことを帰り道につぶやく師匠…。ああああ、どうにも切ない。死にたくても死ねず、落語を辞めたくても辞められない。背中丸めて小さい声で「がんばれがんばれ談志」と自分に言ったり、イライラして寝ころんでワアアアアと叫びながら手足バタバタする師匠を見ては切なくなった。でも、いい高座のあとはとても嬉しそうで、その時間だけは諸々から解放されているんだな、やっぱり落語なんだなあと。

あ、寝転んで叫びながら手足バタバタするの、やってみたらすごい楽しい!やってるうちにすごい笑けてくる!これいい!

小三治師匠のコメントは何度も読んでしまった。それぞれの立場やらプライドやら想いがあるんだな。当たり前だけど、私が落語を楽しませてもらっているその奥ではいろんな想いが渦巻いているのね。小三治師匠の高座をまた見たいなあ。

談志師匠の戒名は笑ったけれど、番組の中でファンへ渡す札に戒名を書いてるシーンがあった。ということは、たてかわうんこくさいいえもとかってこじの札を持ってる人がいるのか。笑けながらも切ない。

談志さんのこと(恐れ多くも)好きになってきた…。今更ながら…。

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鶴瓶さんのあたたかみ

サザンシアターにて鶴瓶師匠の独演会。独演会ははじめてだったのでとても楽しみにしていた。

お弟子さんが開口一番をつとめるのかなあと思っていたら、鶴瓶師匠がお洋服姿で登場。またその装いが可愛くておしゃれ!大きなポケットが前にも後ろにも付いた短めのチョッキ、あれを着こなせる人はなかなかいなかろうと思う。(あ、地井さん似合いそう?)で、そのままフリートーク。おもしろい〜!鶴瓶さんのまわりはおもしろハプニングだらけだなあ!誰もが鶴瓶さんには親しみがわいて近寄って行っちゃうし、鶴瓶さんも気軽にそれに応えるから、おもしろいことが起こるべくして起こるんだろうなあ。それになんでもおもしろくしようとすれば出来ちゃうのね、とも思う。まさしく落語だなあ。あと、鶴瓶師匠が話すとお客さんたちが楽しげにウンウンと頷く声が聞こえてきて、その距離の近さがすごくいいなあと思った。

フリートークのあとは、酔っ払い松鶴師匠の秘蔵音源が流れ(これは最高でした!)、かっこいいオープニング映像(落語会でこういうのははじめてでした!)があって落語へ。一席目の癇癪で師弟愛っていいなあと思い、二席目の青木先生で学生時代っていいなあと懐かしく思い、最後は古典のお直しでビシッと締め。落語の感想がほとんど書けてないけれど、鶴瓶さんのあたたかみをとても感じた落語会でした!次はべつのネタも聞いてみたいな。

この日コートのポケットにひそんでいたものそうだ。以前、松鶴師匠の落語のCDを秋葉原のブックオフで見かけて、買おうとして買わなかったのだけど、たしかそれに手水廻しが入っていたような。明日行ってみよー。あったら買おー。
いま、「手水廻し」でググると1ページ目にまぜごはんが出てくるはずなんですけど、それが地味に楽しくて、たまに検索しては一人ほくそ笑んでおります(笑)。あ、あと、「おやつマドレーヌ」ではたまに1位ゲットします!

「笑福亭鶴瓶落語会」紀伊國屋サザンシアター
かんしゃく
青木先生
お直し

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やっぱり手水廻し


※せんばい寄席とは何の関係もないけれど、皇居外苑からスカイツリーが見えたよの写真

田町にてせんばい寄席。雲助師匠の高座を初めて拝見!そして、百栄さんの手水廻しが聞けたー。方正さん以外の手水廻しを聞いたのは初めて。

百栄さん、トロり〜と歩いてきてドッコイせ〜と高座に上がって「こんにちは〜」と言うだけでフフフッと笑ってしまった。和んでしまうなあ。マクラでの、自分を含め、店の人も誰一人として噛まずに言えなかった回転寿司メニュー「おかキャビア」の話しは笑った。確かに言いにくい。でも、きゃりーぱみゅぱみゅよりは言える。きゃりーぱみゅぱみゅは一度もちゃんと言えたことがない。ネタは手水廻しでした。やっほう、手水廻し!「ちょうずとは長い頭」と和尚さんに言われて、「なるほどね!」と納得するのがどうにもツボ。手水廻しはもう何回も聞いてるので話しの展開はすっかり分かっているのに、このくだりで「なんでそうなるの?」と涙ちょちょ切れるほどに笑ってしまう。そこからの展開もくだらなくて好き。百栄さんの手水廻しもおもしろかった!自然にハマる感じで。(褒めてます)

雲助師匠。ネタは文七元結。雲助師匠の落語はとっても心地が良い。自然と光景が浮かんできて、すっかり聞き入ってしまいました。最後はほろりときたなあ。しかし、左官屋長兵衛さんは、せっかくお金が戻ってくるというのに「一度手放したお金はどんな理由であれ受け取れねえ」と言う。そういう、やせ我慢的江戸っ子精神を、かっこいいと思うまでに私はまだ至ってないなあ。江戸検の勉強が役立って、出てくる場所の名前や位置関係が分かるのが厶フフだった。

帰りは紫文師匠の都々逸「火付け盗賊改方の長谷川平蔵がいつものように両国橋のたもとを歩いておりますと・・・」が頭をぐるぐる。

「せんばい寄席」専売ホール
春風亭一力 「子ほめ」
三遊亭粋歌 「二人の秘密」(踊りも!)
春風亭百栄 「手水廻し」
柳家紫文  三味線漫談
五街道雲助 「文七元結」

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ひとり海苔問題

巣鴨のstudio FOUR、観客約80名のなかで志の輔師匠の高座を初めて拝見。しかも一番前でかぶりつき状態!贅沢でした!

一席目は「異議なし!」。おもしろーーーい!!マンション「中板橋ヒルズ」の住人代表4人のおっちゃんが防犯カメラを設置すべく集会を開く。六本木ヒルズに社を構えるメーカーの関口さんにお越しいただいて防犯カメラの説明を聞くが、結構なお値段を聞いた途端、なんとなく買わない方向で話し合い始めるおっちゃんたち。次々に飛び出す意見がバカバカしいやら可愛らしいやらずる賢いやらで可笑しかったー。で、結局まったく意見まとまらずっていう。愛すべきおっちゃんたち。あっという間にサゲになっちゃって、「あー、もっとおっちゃんたちの話し聞きたいなー」と思ったくらい。そうそう、時間がえらい早く過ぎていてビックリしたんだった。それだけ夢中になっていたということだなあ。

二席目は「柳田格之進」。もう番頭さんのことがいまいましくて、いまいましくて…!何度か「このアホー!」と言いに行きそうになった(笑)。最後には嫉妬からきた行動だと分かったけれど、それでもお絹ちゃんのことを思うといまいましい…!と、いまいましさが止まらないほどに夢中になりました。

今回一番前の座椅子に座っていたのだけど、足元に「海苔」というデカめの文字が入ったレジ袋を置いていたんです。志の輔師匠がたまにそのレジ袋をじーっと見ているような気がして、「あ、どうしよ…この『海苔』って文字が目障りなのかも…」と気になったんです。で、仲入りのときに『海苔』って文字が入っていないほうを前に向けてみたけれど、仲入り後もやっぱりそのレジ袋をたまにじーっと見てらっしゃるようで、「あ、『海苔』って文字がなくなったら、それはそれで気になるかも?」と思ったところで、「私は一人で何をやってんの?あほちゃう?」と思った。

志の輔師匠の落語会のチケットが取れにくいってのがよく分かった。マクラを含めて、聴いたなあ、見たなあって実感がずっしり。落語会もほんといろいろだなあ。おもーいのからかるーいのまで。いろいろあってほんと楽しいなあ。10月は落語はこれで最後。11月はどこに繰り出そう?うきうき。

「巣鴨四丁目落語会」studio FOUR
立川志の太郎 「子ほめ」
立川志の輔 「異議なし!」
松永鉄九郎 長唄三味線
立川志の輔 「柳田格之進」

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人間やめちゃいたい

御茶ノ水にてお茶の水落語会。1,000円ぽっきりでほんとにいいんですか?!というくらい存分に楽しませていただきました。

まずはこの落語会の企画をされているもんさん。ネタは「親の顔」。わいわい、好きなネタだー。お父さんナイス!四角四面なんてつまらない。柔軟にいきたいものだ。サゲのストン度が高くてすっきり。

はな平さん。一席目は相撲ネタで「半分垢」。続く二席目の前に散髪したての髪形について。バービーボーイズのコンタ風とおっしゃったところで、頭の中でレイザーラモンRGが「目を閉じておいでよ」を歌い始めてしまってしばらく消えなかった。おそるべし。二席目は「鮑のし」。甚兵衛さんの精一杯のまくし立てに大笑いでした!甚兵衛さん、愛らしかったなあ。はな平さんは来月に二つ目昇進とのことで、今後にとても期待!!

らく兵さん。ネタは「堀の内」。お、お、おもしろかったー!!抱腹絶倒!!なんでしょうか、あの独特のテンポは。なんなんでしょうか、あの落語は。これまで見たどの噺家さんともかぶらない。私の勝手ですけど(仲蔵ぶりならぬ)「らく兵ぶり」と呼ばせていただこうと思います。落語を聴いていると、頭の中でその光景が広がって、噺家さんのお姿に江戸前フィルタがかかって、人物がわさわさ動き回ることはよくあるんですけど、らく兵さんの堀の内は、らく兵さんご本人がそのままのお姿で直接に江戸の町を疾走してました。時折挟まる、やけに素早い「ふっかつ!」とか、やけに軽い「人間やめちゃいたい!」とかっていう一人ツッコミ?あれもはまりましたし、歩きながらのつぶやき「何妙法蓮華経 何妙法蓮華経 ドンツクドンドン ドンツクドンドン」のハードトランス的なノリ、これもはまりました。もう、自由に笑える状況なら本当に床を笑い転げていたと思う。らく兵さんの粗忽者っぷりは衝撃的でした。

正太郎さんの代打でご出演された朝也さん。ネタは「片棒」。山車に神輿にお囃子に大笑いしました!テンテンテンツク♪このくだりで拍手したかったのだけど、躊躇してしまったのが悔やまれる…!

らく兵さんについて明らかに語り過ぎだ…。あまりの笑撃だったので、今回ばかりはいたしかたなしということにしよう、そうしよう。そうそう、帰り際、らく兵さんに「寄席芸人写真名鑑のらく兵さんのお写真いいですね!」と声をかけさせていただいたのだった。名鑑のらく兵さんの欄にサインもいただき、堀の内が最高だったこともお伝えし、あの特徴的な頭もなでさせて(!)いただいた。よくぞ気前よく接してくださったものだと今さら恐縮…!(私、こんなんばっかり…)あ、でも、名鑑の写真がどのネタのどのくだりの写真なのかはご本人にお尋ねしても分からなかった。少し残念だった。

帰り道、ムギさんとはもっぱららく兵さんの堀の内で盛り上がった。落語を聴いてるときはもちろん楽しいけれど、こうやってわいわい言いながらの帰り道がこれまた楽しい!次回の御茶ノ水落語会も楽しみにしていよう!

「第2回お茶の水落語会」
如月亭もん 「親の顔」
林家はな平 「半分垢」「鮑のし」
立川らく兵 「堀の内」
春風亭朝也 「片棒」

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夢オチめ〜

神楽坂で喜多八師匠と龍玉さんの落語会。

喜多八師匠の一席目。「今日は大人な雰囲気でいきたいですな」ということでマムシ酒を飲んだ経験談から、まずは小噺で「長命丸(ちょうめいがん)」。両国の四つ目屋という怪しげなお店で売ってる長命丸という怪しげな薬を、江戸見物にやってきた田舎者が素直に長生きする薬だと思って買いに来ちゃった。店のご主人に「あの〜、つまりですな、あぁた様のねぇ、その〜、倅の頭に塗っていただくんで」(このくだりの師匠はとても生き生きして見えた!)と小声で言われて、家に帰って自分の倅の頭に塗って「これでおらも長生きできるだぁ」と喜んで床に入ったら、夜中となりの倅の頭が持ち上がったってんで…という艶っぽい…っていうか下ネタでした(笑)。

小噺続いてのネタは「短命」。喜多八師匠いわく「どうもやりたくなってしまう噺」なんだそう。今日もサイレント映画のようなご隠居さんと八五郎のやりとりにお腹抱えて大笑い!

龍玉さんの一席目は「駒長」。龍玉さんの高座は初めて拝見したけれど、なんともオツな空気が漂っていて、自然と噺の世界に入り込めた。駒長も初めて聴くネタだった。あ〜あ、可哀想やけど身から出た錆っていいますか〜、な話しだった。向うの屋根のカラスが長兵衛の顔を見て「あほう、あほう」。

喜多八師匠二席目は「だくだく」!!やったよー!だくだくー!師匠のだくだく、聴きたいと思っていたのです。家財がすべて壁の絵だと気付いたときの泥棒の「なぬ?!」って表情がもう秀逸!!!そこからの「○○のつもり〜!」合戦も可笑しくて可笑しくて涙出た。会場大笑いの渦でした。また聴きたい、師匠のだくだく。

龍玉さん二席目は「夢金」。金に欲深くていけすかない感じの男が土壇場でヒーローになって「なんだい、やるじゃないか」と時代劇を見たようなスカッとした心持ちでいたら、なんと全部夢だったというオチ。キー、やられたー、夢オチめー。

会場を出たところで着物姿のお綺麗な女の子と話すキッカケがあり、喜多八師匠のファンとのことで駅まで一緒に歩いた。私が「師匠、前回見たときも短命だったんですー」と言ったら、彼女は「長短」連続4回ということがあったとのこと。やはりやりたくなるネタってあるんだな。熱き喜多八トークに花が咲いて楽しい帰り道だった。またお会いできるかしらん。

「七転八倒の会」神楽坂毘沙門天
柳家いっぽん 「寿限無」
柳家喜多八 「短命」
蜃気楼龍玉 「駒長」
柳家喜多八 「だくだく」
蜃気楼龍玉 「夢金」

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鶉舞をみまいなぁ

新宿御苑の薪能へ。おととしに初めて行って今回が2回目。暗い空には白いお月さま、どこからともなく聞こえてくる鈴虫の音、少し冷たい空気。そんな中で観るお能はやはり神秘的だった。今年のテーマは「獅子」。

狂言は「越後聟(えちごむこ)」。めでたい婿入りのお話。狂言鑑賞まだ数回の私には、やはり行動をいちいち口にするのにクスッとなってしまう(もちろん心の中で)。魚を棒につるして持ってきて、「持ってきた魚はここに置いておこう」と言いながら床に置いたり、杯に酒をつげと頼んでつがれるところを見ているのに、「あるぞ、あるぞ」と言いながら飲んだり。

祝いの宴は楽しげに続いて、越後の聟さんは舅に所望されて、まずは鶉舞を披露。うずらを捕りに行ったけどなかなか捕れず、次は大丈夫、次は捕れると続けるが、結局捕れなかったよ〜という舞で可笑しかった。「鶉舞をみまいなぁ 鶉舞をみまいなぁ」の合いの手は、参加しそうになる衝動を抑えるのに大変だった。鶉舞をみまいなぁ♪

聟さんはさらに獅子舞も披露。お囃子も入ってとても華やか!舞台から橋に飛び移ったり、欄干に上ったり、倒立したりとアクロバティックな舞を披露。舅に獅子舞を舞ってくれと頼まれたときには「いやいや、踊れません。小さいときに踊ったきりだから」などと恐縮し切っていたのに乗りに乗っていらっしゃる!思わず笑顔になってしまうお話しだった。

お能は「石橋」。こちらは前半、舞がほとんどなく語りばかりが続くので、幾度か意識が遠のいてしまった…。ずっと見ていたはずなのに、気付くと「あれ。シテは正面向いてじっと座っていたのに、いつの間にやら斜めを向いて座っている…」みたいな…。後半は白い獅子と赤い獅子が舞い、お囃子も迫力満点!ばっちり覚醒して前のめりで楽しんだ。やはりお能のお囃子いい。声と太鼓と笛と足音が一体となって襲い来る感じ、あのグルーヴ、たまらない。もっと聴いていたかったなあ。

お誘いしたともちゃんもお能のお囃子に対して同じように思ったとのことで、二人して「お囃子最高!」と盛り上がった。なんだか狂言にしてもお能にしても、きちんとした楽しみ方が出来てないようで恥ずかしいけれど、まあ、ゆっくり勉強できたらいいなと思う。(前もお能の記事でこんな言い訳書いた気がする…笑)

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