初鈴本演芸場

木曜日、そして今日も楽しみにしていた落語会があったのだけど延期になってしまった。くすんくすん。でも、こんなときこそ好きなもので満たされるに限ると、新宿で少しお買い物してから鈴本演芸場へ足を運んでみた。昼席の仲入りから入場できた。

昭和のいるこいる師匠。お揃いの赤いジャケットの胸には大きなワッペン。面倒くさげに「はいはいはいはいはいはいはいはいはいはいはいはい」と言ったあと耳の横で両手を振るの、生で見ましたよ!すんごい嬉しいんですけど!なんかもう漫才しているお姿を見ているだけで満足しちゃいました。もちろん、漫才面白かったです!のいこい師匠ありがとう。

そんなのいこい師匠のウェブサイト「noi-coi.com」、トップページには「Laugh or die!!」と活きのよいキャッチ。あまり更新されていない「のいこいライブレポート」コーナーには「今宵のノイコイ度:76ノイコイ」って、ノイコイ度ってなんやろう。

三遊亭金馬師匠、御年82歳。マクラからいい感じのなごやかムード。「当たり前のことを言い合ってる人もいますなあ。『三月だねえ』『そうだ三月だ』『次は四月だねえ』『うん四月だなあ』なんてねえ」これだけの台詞なのに笑えてしまう。

ネタは親子酒!やったあ!やっぱりせがれが酔っぱらって帰ってくるところで大笑い。わははー、酔っぱらって帰ってきたきたー。サゲの「あたしだってこんなぐるぐる回る家は要りません」も大好き。

三遊亭歌武蔵師匠。力士から落語家に転身されたんだそう。登場されていきなり「ただいまの取り組みー、金馬師匠で親子酒でしたー」といい声で。笑った!ネタは「猫の皿」。茶店の亭主がかなりの「一人盛り上がり系」で面白かった!猫の皿にもいろいろだなあ。

林家正楽師匠の紙切り。すごかった!相合い傘、お花見、人力車、卒業式、春一番などなど、もう感動!春一番がよかったなあ。紙の中の風景にはびゅんと風が吹いてた。切りながら「いろんなお客さんがいらっしゃいますねえ、『何を切りましょうか』とたずねたら、『とりあえずビール!』ってねえ」って。粋なお客さんだ。正楽師匠が流れるお囃子に合わせてゆるく身体を揺らして、面白い話をかるーくしながら、どんどん紙を切っていく。お客さんはその様子をわくわくしながら見る。いい時間でした。

トリは入船亭扇遊師匠。
ネタは「天狗裁き」。事は寝言を言いながら寝ていた八五郎に、「楽しい夢を見ていたんだろう?教えておくれよ」とおかみさんが言って、「見てない夢の話はできない」と八五郎が断ったことから始まる。「そんな言えないような夢なのかい?」「だから見てないものは見てない」と夫婦げんか。仲裁に入った隣の辰公も夢の話が気になって尋ねる、八五郎断る、大げんか。仲裁に入った大家さんも夢の話が気になって尋ねる、八五郎断る、店立てを言い渡す。とうとう奉行所行き。お奉行様まで夢の話が気になって尋ねる、八五郎断る、縄で縛られ木にくくり付けられる。次はびっくり、天狗が風をふかせて高尾山に八五郎を運ぶ。天狗までもが夢の話が気になって尋ねる、八五郎断る。天狗怒って八五郎の首を締める。うぐぐぐぐぐー、目を覚ますと隣にはおかみさんが…。

天狗のあたりで「さては夢落ちだね?」って気付いたけれど遅いかなあ?扇遊師匠の落語はとても恰好良かった!

終演後、1階に降りると太鼓の音が聞こえてきて「どこから?」と思ったら切符売り場の上からだった!(写真をご参照ください)

ああ、寄席囃子の太鼓が叩きたい。

「鈴本演芸場 昼席 仲入りあと」
昭和のいるこいる 「漫才」
三遊亭金馬 「親子酒」
三遊亭歌武蔵 「猫の皿」
林家正楽 「紙切り」
入船亭扇遊 「天狗裁き」

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