ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?

ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?」 シアター・コクーンにて。
すごかった・・・。濃ゆかった・・・。
終演後は疲れてしもてグッタリ。
でも、すばらしかった!!

結婚23年目を迎えた大学教授夫妻ジョージとマーサ(段田&大竹)。
結婚生活の惰性と幻滅の毎日の中で、二人はある刺激を求めていた。
ある夜、マーサの父である学長主催のパーティから泥酔気味で帰宅した二人は、パーティで知り合ったばかりの新任の助教授夫妻ニックとハネー(稲垣&ともさか)を自宅に招き入れる。
この初対面同然の若いゲストの面前で、ジョージとマーサはお互いの不満を爆発させ、激しく罵りあい、その露悪的な振る舞いはエスカレート。
やがて、その矛先は若夫婦にも向けられ、否応なくこの狂気のゲームに巻き込まれていく。
眠りを忘れた長い夜に繰り広げられる壮絶な戦い。果たして、彼らに夜明けは訪れるのか?!

ネタばれています。


うまくゆかない現実を前に、マーサは徹底的にジョージを罵り傷つけ、ジョージはそれを自分への罰だというように、マーサをさらに勢いづかせるようなことを言う。ニックとハネーが来訪したことで、マーサの攻撃はさらに加速して、ジョージに容赦ない言葉をぶつけまくる。ニックとハネーもどんどん巻き込まれていく。ジョージもいつのまにか饒舌になり、これはゲームだと言って秘密をバラしたりして、マーサ、ニックとハネーを追い詰める。
このまま、こんな状態で終わってしまうんだろうかとやりきれなくなる状況だったけど、ジョージがこれが最後のゲームと、夫婦の唯一の拠り所だったであろう”想像上の子供”を抹消したのは、もう傷つけあうのは終わりにしようという決意と思って救われた。最後、ニックとハネーが帰って二人になり、ジョージがマーサを後ろから抱きしめながら言った「これから二人でやっていけるさ。ヴァージニアウルフなんかこわいくない、こわくない・・・」という言葉を信じたい気持ちだった。
人と人が徹底的に攻撃しあって傷つけ合って、どん底まで行ったその先って・・・。想像が難しいですけど、現実がいい方向にいってもいかなくても、二人は一生離れられないんじゃないかと思う。
とにかく大竹しのぶさんが素晴らしかった!ジョージをガンガン罵りまくっていても、自分もいっしょに傷ついていて、ずっと悲しげで苦しげ。そのお相手をする段田さんも素晴らしかった。ともさかりえちゃんも、ほわっとした雰囲気の中に見えるあやうさがよかったし、吾郎ちゃんもよかった。ワイン片手に立つ姿がきまってた。
内容はズシーンと重たいけど、軽いギャグもうまく盛り込まれてあったし、なにより次から次へと繰り出されるセリフの応酬が圧巻。舞台が中央にあって、四方をお客さんが囲んで観るというスタイルも、初めての経験で新鮮だった。疲れるの覚悟でもっかい観たい。けど、時間がないなあ。

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