開放弦

「開放弦」観賞。パルコ劇場にて。
↓「開放弦」公式サイト:ストーリー
http://www.parco-play.com/web/play/kaihogen/story.html
大きく感情が揺さぶられることはないけれど、そこはかとなくやるせなくて、ほどほどのシュールさもあって、好きなお話しでした。
淡々とした会話の中に、本音がちらと見えたり、押さえていた感情がちょこちょこ顔を出したり、その見え隠れ加減がよかった。
大倉さんは大倉さんらしいキレアクションで笑わせてくれたし、犬山さん、河原さん、伊藤さんもさすがのお芝居で要所要所しっかり楽しませてくれた。
一番笑ったのは、恵子さん(水野美紀さん)が、素江(犬山さん)は「バウムクーヘンに巻かれて」略して「バウ巻か」を描いている人気漫画家だと知って狂喜乱舞するところ。落ち着いていてしっかり者の恵子さんやのに、ものすごい弾けッぷり。驚いて「ええっ!!」とのけぞるところなんて、さすがアクション派女優の水野さん?、素晴らしいのけぞりポーズをキメていて、ツボをつかれた。
そんな笑いもありながら淡々と物語は進んでいって、遠山くん(丸山智己さん)のお葬式後のシーン。遠山くんとの初デートのことを話す恵子さんが切なかったなあ。忘れたフリしたなんてー。それをまた淡々と話すので余計にキュンときた。
最後、恵子さんが一人夢中でギターの弦をかき鳴らすシーンも印象的でよかった。右手が動かなくなった遠山くんが左手でコードを、恵子さんがピックで弦を鳴らした、お互いがぎこちないながらも初めて気持ちを見せたギター連弾シーンを思い出してほろりときた。
観る前は、チケット8000円は正直ちょっと高いなと思っていたけど、いやはや、じんわりといいお芝居だった。

pagetop

コメントを書く

コメント内容
*