夢オチめ〜

神楽坂で喜多八師匠と龍玉さんの落語会。

喜多八師匠の一席目。「今日は大人な雰囲気でいきたいですな」ということでマムシ酒を飲んだ経験談から、まずは小噺で「長命丸(ちょうめいがん)」。両国の四つ目屋という怪しげなお店で売ってる長命丸という怪しげな薬を、江戸見物にやってきた田舎者が素直に長生きする薬だと思って買いに来ちゃった。店のご主人に「あの〜、つまりですな、あぁた様のねぇ、その〜、倅の頭に塗っていただくんで」(このくだりの師匠はとても生き生きして見えた!)と小声で言われて、家に帰って自分の倅の頭に塗って「これでおらも長生きできるだぁ」と喜んで床に入ったら、夜中となりの倅の頭が持ち上がったってんで…という艶っぽい…っていうか下ネタでした(笑)。

小噺続いてのネタは「短命」。喜多八師匠いわく「どうもやりたくなってしまう噺」なんだそう。今日もサイレント映画のようなご隠居さんと八五郎のやりとりにお腹抱えて大笑い!

龍玉さんの一席目は「駒長」。龍玉さんの高座は初めて拝見したけれど、なんともオツな空気が漂っていて、自然と噺の世界に入り込めた。駒長も初めて聴くネタだった。あ〜あ、可哀想やけど身から出た錆っていいますか〜、な話しだった。向うの屋根のカラスが長兵衛の顔を見て「あほう、あほう」。

喜多八師匠二席目は「だくだく」!!やったよー!だくだくー!師匠のだくだく、聴きたいと思っていたのです。家財がすべて壁の絵だと気付いたときの泥棒の「なぬ?!」って表情がもう秀逸!!!そこからの「○○のつもり〜!」合戦も可笑しくて可笑しくて涙出た。会場大笑いの渦でした。また聴きたい、師匠のだくだく。

龍玉さん二席目は「夢金」。金に欲深くていけすかない感じの男が土壇場でヒーローになって「なんだい、やるじゃないか」と時代劇を見たようなスカッとした心持ちでいたら、なんと全部夢だったというオチ。キー、やられたー、夢オチめー。

会場を出たところで着物姿のお綺麗な女の子と話すキッカケがあり、喜多八師匠のファンとのことで駅まで一緒に歩いた。私が「師匠、前回見たときも短命だったんですー」と言ったら、彼女は「長短」連続4回ということがあったとのこと。やはりやりたくなるネタってあるんだな。熱き喜多八トークに花が咲いて楽しい帰り道だった。またお会いできるかしらん。

「七転八倒の会」神楽坂毘沙門天
柳家いっぽん 「寿限無」
柳家喜多八 「短命」
蜃気楼龍玉 「駒長」
柳家喜多八 「だくだく」
蜃気楼龍玉 「夢金」

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