名画座ギンレイホール

ずっとぼんやりと観たいなあと思っていた「パンズ・ラビリンス」。結局、あちこちで公開している間には見に行かなかったので、レンタルしようと思っていた。でも、最近、飯田橋のギンレイホールで公開していると知り、神楽坂散歩を兼ねて行ってみることにした。
パンズ・ラビリンスは、あまりにも残酷で悲しくて苦しい映画でした・・・。

1944 年、内戦終決後のスペイン。父を亡くした少女オフェリアは、身重の母と共にゲリラが潜む山奥で暮らし始める。そこは母が再婚したフランス軍のビダル大尉の駐屯地だった。体調の思わしくない母を労りながらも、冷酷な義父にどうしても馴染めないでいた彼女の前に妖精が現れ、森の中の迷宮へと導く。・・・・・・

絶望的な現実の中、オフェリアの前に現れた魔法の国。でも、その魔法の国にも3つの試練を乗り越えなければ受け入れてはもらえない。現実の世界と幻想の世界を行ったり来たりするオフェリア。最後の3つ目の試練を乗り越え、横たえて目を閉じながら微笑むオフェリアに、悲しすぎるけど救われた気もした。幻想の世界はオフェリアが自ら勝ち取った幸せなのかもしれない。
オフェリアが現実世界で唯一の心の拠り所だった小間使いのメルセデス。そのメルセデスが歌う子守唄の旋律が悲しくてきれいで切なくて、このお話に恐ろしいほどに合っている。エンドロールで流れるこの子守唄を聴きながら、悲しいのと、解放されたのと、なんだか複雑な気持ちが渦巻いて、自分でもびっくりするほどヒックヒックと泣いてしまった。
思わず目を背けてしまう残虐なシーンがいくつもあるし、現実の過酷さや人間の残酷さを見せ付けられるし、観るのにとても覚悟がいる映画だけど、また観たいと思うときが来るような気がする。
あまりに気持ちがズッシリ重くなってしまったので、ちょっと休憩して心を落ち着かせることに。
コーヒーを飲みながら、初めて行った「名画座 ギンレイホール」のパンフレットを見る。ロードショーが終わった映画だけど、2本立てで1,500円で映画が観られるっていいなー。さらにギンレイ・シネマクラブの会員になれば、10,500円で1年間を通じてギンレイホールで上映する映画を何度でも鑑賞できるとある。月に1回行けば余裕で元がとれてしまうのかー。あのレトロな雰囲気もいいし、ついでに隣の成人映画館にも行けるし(笑)、会員になってみようかなー。
その後は、神楽坂を散歩してきました。この日はシャツ1枚で歩いても平気なほどのポカポカ陽気。観光のお客さんもたくさん。毘沙門天の前で花を売るおばあさんの後姿にグッときたり、「ここん.」というかわいい和雑貨屋で買い物したり、なんだか気品あふれるねこちゃんに会ったり、カレーショップ「ボナッ」のちっちゃい”ッ”がイカしてる!って思ったり。
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いい休日でございました。

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