見守らせていただきます

「立川志ら乃真打ち昇進大作戦 立川志らく師匠を納得させる会」に行った。

もうほぼ真打ち昇進間違えないのであろうと勝手に想像していた。どんなふうにその瞬間を迎えるのかな。拍手喝采、湧き上がる歓声、涙々の感動のシーンを思い浮かべていたのだが…。結果はなんと、真打ち見送り。この真打ち昇進トライアルは、まったくのガチンコ勝負だったんだなあ。

見送りの理由は志らく師匠から詳細に語られた。ほんとに具体的に。真打ちに向けて懸命に落語をし、その直後に高座で、何百人ものお客さんの前で、師匠にダメ出しされ、真打ちはまだと言われた志ら乃さん。それはもういかほどの打撃かと。志ら乃さん茫然とされていた。私も茫然としてしまった。

志らく師匠の真打ち見送りの説明はよーく分かった。芸の厳しさを思い知った。最初は、なんでそんなことをお客さんの前で言うんですか!と軽く怒りさえ覚えたが、それは志ら乃さんだけでなく、お客さんも納得させるための説明であったのだろうと思った。

これは闘いだなぁ。人生の大一番。見送りが続けばハードルもどんどん上がるわけで。ああ、すごい世界を垣間見てしまった。芸の裏側ではこんなやり取りが為されてるんだ。

今、志ら乃さんはどんな気持ちでいるのかしら。どんな気持ちで2009年を終えるのかしら。もう、真打ちにならなくてもいいんじゃない?好きな落語を好きようにやってゆけば、とか思ってしまうけど、師匠に認められないと落語をやる意味はないのだろうなぁと思う。すごい世界だ。

落語の世界をほとんど知らないにわか落語ファンな私が、今回真打ち昇進が見送りになったことを、あれこれ私見私情交えて書くのはどうなのかとも思ったけど、やっぱり書くことにした。心にずっしりきたから。

これからの落語の聞き方が変わりそうだ。芸をものにしようと精進を重ねる噺家さんの努力を汲み取ろうとしてしまうかも。でも、それは違うんだろうな。私はもっと純粋に落語の世界に没頭すればいいんだろう。

志ら乃さんが今後上がりに上がったハードルをどんなふうに飛び越えるのか見守りたい、見守らねばならぬ!とガチガチに硬い意思を固めた。

会場で来年2月の独演会のチケットを買った。どんな志ら乃さんと会えるのか楽しみ。

立川志ら乃真打ち昇進大作戦
だくだく      立川志ら乃
黄金餅       立川志らく
子別れ(通し)   立川志ら乃

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