鶉舞をみまいなぁ

新宿御苑の薪能へ。おととしに初めて行って今回が2回目。暗い空には白いお月さま、どこからともなく聞こえてくる鈴虫の音、少し冷たい空気。そんな中で観るお能はやはり神秘的だった。今年のテーマは「獅子」。

狂言は「越後聟(えちごむこ)」。めでたい婿入りのお話。狂言鑑賞まだ数回の私には、やはり行動をいちいち口にするのにクスッとなってしまう(もちろん心の中で)。魚を棒につるして持ってきて、「持ってきた魚はここに置いておこう」と言いながら床に置いたり、杯に酒をつげと頼んでつがれるところを見ているのに、「あるぞ、あるぞ」と言いながら飲んだり。

祝いの宴は楽しげに続いて、越後の聟さんは舅に所望されて、まずは鶉舞を披露。うずらを捕りに行ったけどなかなか捕れず、次は大丈夫、次は捕れると続けるが、結局捕れなかったよ〜という舞で可笑しかった。「鶉舞をみまいなぁ 鶉舞をみまいなぁ」の合いの手は、参加しそうになる衝動を抑えるのに大変だった。鶉舞をみまいなぁ♪

聟さんはさらに獅子舞も披露。お囃子も入ってとても華やか!舞台から橋に飛び移ったり、欄干に上ったり、倒立したりとアクロバティックな舞を披露。舅に獅子舞を舞ってくれと頼まれたときには「いやいや、踊れません。小さいときに踊ったきりだから」などと恐縮し切っていたのに乗りに乗っていらっしゃる!思わず笑顔になってしまうお話しだった。

お能は「石橋」。こちらは前半、舞がほとんどなく語りばかりが続くので、幾度か意識が遠のいてしまった…。ずっと見ていたはずなのに、気付くと「あれ。シテは正面向いてじっと座っていたのに、いつの間にやら斜めを向いて座っている…」みたいな…。後半は白い獅子と赤い獅子が舞い、お囃子も迫力満点!ばっちり覚醒して前のめりで楽しんだ。やはりお能のお囃子いい。声と太鼓と笛と足音が一体となって襲い来る感じ、あのグルーヴ、たまらない。もっと聴いていたかったなあ。

お誘いしたともちゃんもお能のお囃子に対して同じように思ったとのことで、二人して「お囃子最高!」と盛り上がった。なんだか狂言にしてもお能にしても、きちんとした楽しみ方が出来てないようで恥ずかしいけれど、まあ、ゆっくり勉強できたらいいなと思う。(前もお能の記事でこんな言い訳書いた気がする…笑)

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