見ている責任を果たせたか

桃井かおりさんの一人芝居「あなたが見てるから、私が見られてるんでしょ?」を観た。
セットは豪華なドレスを着せた顔のないマネキンが20体ほどと、舞台中央にくしゃくしゃにしたアルミホイルを伸ばして張ったような板(桃井さんの後姿がにじんで見える)、音楽はコントラバスとトランペットによるジャズ生演奏。


桃井さんは7人の人物を演じた。ひとつのお話しが終わると、向かって右端のスペースで次の衣装に生着替え。この着替えてるときの、次はどんな人なんだろうとワクワクドキドキする感じが最高だった。ちなみに7人の人物はこんな感じ。
1.歌手。元夫と新しい若い妻が、お金やら権利書を持ち出した息子を探して、自分の舞台を見に来ている設定
2.セクハラと暴力問題で謝罪会見をしている演出家(?)
3.失明してしまって気をつかわれて呼ばれなかったのに、れいこさんの40回目のバースデーパーティにかけつけ、そのパーティで付き人のしんちゃんに逃げられる歌手
4.清水と別れたくて清水を刺したのに、2年4ヶ月の刑期を終え出所したときに迎えにきてたのは清水で、ちょっと壊れかけている歌手
5.不倫相手をホテルに呼び出し、リストカットしながら最後のone for one by oneのコンサートをするアイドル歌手マミ
6.仲間全員で一つの個性だと熱く訴えるが、空回りしていることに気づいておらず、最後にはメンバーすべてに去られてしまう女団長
7.ウェイトレスとしてぎょうざのおいしい小さなお店で働きながら、デビュー目指してショーに出ている少女
なかなかスゴイメンバーです。
桃井さんは「たまらない人ばっかりになっちゃって。」と言っていたけど、ほんとうにそうだった。どの人物も、最初は桃井さんのぶっとび気味の演技に笑ってられるのだけど、いたたまれない展開にだんだん笑えなくなって、でも、最後にはみょうに愛着がわいてしまうといった感じ。
桃井さんの歌による表現もすばらしくて、コントラバスとトランペットだけのジャジィな音に桃井さんの深い声がのって、めちゃくちゃかっこよかった。
8日は桃井さんの誕生日だということで、劇後、会場に入るときに配られたルミカライトを振ってハッピーバースデーを歌った。桃井さん、53歳ですって。なんてステキな53歳なのでしょう!ハリウッドでの活躍にも大期待。

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